限局性学習障害

知的な遅れはないにもかかわらず、「読み」「書き」「計算」といった、特定の学習に大きな困難が生じるのが限局性学習障害(SLD)の特徴です。物語の内容の理解が難しいといった学問としての国語や算数が苦手、ということではなく、「文字が逆さに見える」「形の似た字の見分けがつかない」などの、認知能力に凸凹がある状態で、それが学問の習得に大きな影響を与えています。

限局性学習障害<SLD>の診断

  • 頭部のCTやMRIなどによって脳の病気の有無を確認する。
  • 知能テストや心理テスト、表現力や行動力のテストを行い、知的障害や精神疾患がないかなど総合的に評価をする。
  • 読み書きや計算の検査を行い、SLDかどうか診断される。

限局性学習障害<SLD>の特性をもつお子さまの困難さ

  • 1文字ずつは読めるが文章になると理解できない。
  • 文字や行を飛ばして読んでしまう。
  • 文字がぼやけたり、さかさまになって見えたりすることがある。
  • 文字は読めるのに、書けない。
  • 文字をきれいにそろえて書くことができない。
  • 誤字脱字や漢字の1画が抜けたりすることが多い。
  • 聞き取り書きができない。
  • 筋道を立てて話すのが苦手で、話しているうちに話がそれてしまう。
  • 指を使わないと計算できない。
  • 図形や表、グラフ、数の大小などの理解が難しい。
  • 時計で時間を把握するのが難しい。

など、様々な困難さが挙げられます。知的発達に遅れはないので、実際の生活では、勉強の時だけ生じる困難さではあるのですが、この様々な困難さにより、学校生活が苦痛になってしまう子も少なくありません。

他の発達障害と同じく、こうした困難さにより自己肯定感が著しく低下し、二次障害を引き起こすことも考えられます。

限局性学習障害<SLD>の特性を持つお子さまへのPal教室での療育実践例

Pal教室では、ABA(応用行動分析)の考え方を取り入れた療育を行っています。
ABAの基本的な考え方とは、行動の原因を子どものせいにするのではなく、子どもを取り巻く環境との相互作用の結果、として捉えるというものです。
ここで言う環境とは、物理的な状況もありますが、私たち大人や周囲の人的な状況も含まれ、特に小さなお子様の場合、大人との関わり方の影響がとても大きいと考えています。

私たちは療育を行う際に、子どもの行動について、A「行動の直前の出来事」、B「行動」、C「行動直後の出来事(結果)」という3つのフレームで分析を行っています。
このABCフレームを用いた分析により、A(環境の調整や私たちの指示の出し方)やC(行動に対しての私たちの反応など)によって、望ましくない行動を減らしたり、望ましい行動に変えることが出来る、特に「望ましい行動を褒めて増やしていく」というのがPal教室の療育の基本です。

例えば、「文字や行を飛ばして読んでしまう」お子さまには、読むべき行だけを際立たせる効果のあるリーディングルーラーを使った読み方を提案したり、指やリーディングルーラーで行を指し示しながら大人の後をついて読んだり、子どもと大人とで1行ずつ交代読みをしたりして、正しく見て正しく読めたことを褒めて強化しています。
「指を使って計算をする」お子さまには、具体物を使って計算をする、繰上りが生じる場合の指計算の方法を一緒に考える、など、できないことを注意するのではなく、今できる方法を最大限活用し、できた!という自信をつけることができるよう支援しています。
また、『保育所等訪問支援』の制度を利用して、本児の通う学校にPal教室スタッフが訪問し、学校の環境下でできる合理的配慮を、担任の先生や教頭先生、校長先生方と一緒に考えることも行っています。

Pal(パル)教室は、埼玉県朝霞市を中心とした
児童発達支援・放課後等デイスクール事業所です

  • Pal膝折教室:埼玉県朝霞市膝折町1-10-8
  • Pal教室NEO:埼玉県朝霞市膝折町1-10-8
  • Palαあさか台:埼玉県朝霞市西弁財2-5-12
  • Pal教室Up:埼玉県朝霞市東弁財1-3-4
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